高価な1台を買う前に、電気の役割を分ける

停電対策をポータブル電源一台へ集めると、故障・充電切れ・持ち出せない場面で全部を失います。まず乾電池式や充電式のライト、モバイルバッテリー(スマホ用充電器)、電池式ラジオなどを役割ごとに分散し、その上で長時間使いたい機器を電源計算へ入れます。

ポータブル電源が向くのは、複数のUSB機器、照明、季節家電などへまとまった電力を使いたい家庭です。湯沸かしや電子レンジなど高出力機器を中心にすると、容量と定格出力の両方が大きくなり、消費も速くなります。

停電対策の役割分担
役割先に確認する手段ポータブル電源で補う場面
明かり乾電池ライト、ヘッドライト、充電式ランタン複数灯を長時間充電・点灯する
情報・連絡モバイルバッテリー(スマホ用充電器)、電池式ラジオ家族分の端末・通信機器を繰り返し充電する
暑さ・寒さ衣類、寝具、遮光、移動先小型扇風機や電気毛布を使う
食事加熱不要食、カセットコンロ適合する場合に湯沸かし・調理家電を短時間使う
わが家で試算家族・時間・使う機器から電源を計算する6時間・1日・3日・7日を選び、一台で足りるかを確認します。

スマホは、電源だけでなく通信の予備手段も決める

スマホを何回充電できても、基地局・固定回線・通話サービスが止まれば連絡できません。逆に携帯回線が混雑していても、SMS、171、開設中の災害用Wi-Fi、非常時ローミングなどへ切り替えられる場合があります。

電源計画は『何Wh買うか』で終わらせず、省電力設定、短い安否文、次の確認時刻、オフライン情報を一緒に準備します。モバイルバッテリーのmAhをスマホ電池のmAhで単純に割った値は、変換損失等があるため満充電回数にはなりません。

スマホを連絡手段として残す充電・圏外・Wi-Fi・171の使い分けを見る電源・端末・回線・サービスの4つに分け、つながらない時の次の手段を確認します。

代表5モデルを、できる回数・時間で比べる

次の仕様は、各行に示す日付にメーカー公式ページで確認しました。製品表示容量の80%を使える電力量とする、そなえヨミ共通条件での単独使用概算です。価格・人気順位では比較していません。

各列は『それだけを使った場合』の目安で、全部を同時に使える意味ではありません。変換損失、気温、劣化、機器の制御で実際は変わり、回数・時間を保証しません。購入前は型番とメーカー最新仕様を確認してください。

湯沸かし列は、1回80Wh・必要出力1200Wという比較用負荷です。水量・初期温度・加熱時間をそろえた実測値ではありません。

代表モデルの独自条件による単独使用概算
モデル・仕様確認日容量/定格出力スマホ20Wh照明10W扇風機30W電気毛布55W湯沸かし負荷80Wh・1200W
Jackery ポータブル電源 500 New(2026-08-02確認)512Wh/500W20回40時間13時間7時間出力不足
Anker Solix C1000 Gen 2(2026-08-02確認)1024Wh/1550W40回81時間27時間14時間10回
Jackery ポータブル電源 1000 New(2026-08-02確認)1070Wh/1500W42回85時間28時間15時間10回
BLUETTI AC180(2026-08-02確認)1152Wh/1800W46回92時間30時間16時間11回
Jackery ポータブル電源 2000 New(2026-08-02確認)2042Wh/2200W81回163時間54時間29時間20回

Whは使える電気の量、Wは家電を動かす力

容量Whが足りても、機器の消費電力Wが電源の定格出力を超えると使えません。容量として2台分必要という結果と、高出力家電が動くかどうかは別判定です。複数機器を同時に使う場合はW数を合計します。

冷蔵庫など起動時の電力が大きく変わる機器は、通常時の表示だけで判断しません。使用機器と電源の両方の説明書を確認し、不明な場合はメーカーへ適合を確認します。延長コードや充電器も定格を守ります。

災害名ではなく、家族・時間・優先機器で決める

大人・子ども・赤ちゃんの人数、6時間・1日・3日・7日の備え、使いたい機器を選びます。台風・地震・大雪は機器選びの入口に使い、復旧日数を災害名だけで自動決定しません。

最初にスマホ・ラジオ・明かりなど情報と安全に必要な物を選び、次に扇風機や電気毛布、調理を足します。必要量が一台を超えたら、台数を増やす前に使用時間や優先順位を見直します。再充電できる見込みは、足りる判定へ加えていません。

夏・冬は『電源がもつ時間』を安全時間にしない

扇風機が何時間動くかは計算できますが、その時間だけ暑い家にいて安全という意味ではありません。エアコンが使えず暑さを避けられない場合は、当日の気象・暑さ指数と自治体情報を確認し、涼しい場所へ移動する計画を優先します。乳幼児、高齢者、持病がある人は早めに連絡担当と移動先を決めます。

冬も電気毛布だけへ頼らず、衣類・寝具・安全に使える暖房手段を組み合わせます。エンジン式発電機は、一酸化炭素中毒を防ぐため屋内・車内・テント内で絶対に使いません。その他の燃焼機器は、製品表示の使用場所と換気条件を守ります。

型番でリコールを確認し、異常があれば使用を止める

購入前と定期点検時に、本体ラベルのメーカー名・製品名・型番を確認し、メーカーの重要なお知らせと消費者庁のリコール情報を検索します。リコール対象品は、異常が見えなくても案内に従って使用を中止します。

高温・直射日光・水濡れ・強い衝撃を避け、メーカー指定の方法と頻度で残量を確認します。発熱、変形、異臭、異音、液漏れなどの異常があれば充電・使用を止め、無理に動かさず安全な距離を取ります。発煙・発火時は近づかず119番へ連絡し、安全確保後にメーカーの案内を確認します。家庭ごみへ自己判断で出しません。

購入前・定期点検消費者庁のリコール情報を型番で確認する検索結果は変わるため、『対象外』を固定表示せず、毎回公式情報を確認します。

主な根拠

数値には公的な目安と、そなえヨミの簡易試算が含まれます。自治体、医療者、製品メーカーなどの個別案内がある場合は、そちらを優先してください。