まず60秒:命の危険なら緊急通報を先に

揺れ・津波・火災・浸水などの危険がある間は、スマホ操作より安全な場所への移動を優先します。火事、急病・けが、救助、事件・事故、海上事故が切迫している時は、家族への安否連絡より先に、状況に合う緊急番号へ通報します。

切迫した危険がなく安全を確保できたら、家族へ何度も電話する前に短い文字を一度だけ残します。写真・動画・ビデオ通話・ライブ配信は文字より電池と通信量を使うため、詳しい状況は回線が落ち着いてから追加します。

安否文は『無事/現在地/けが・不足/次の確認時刻』の順にします。例:『無事。○○小学校2階。けがなし。次は21時に171へ残す。返信不要』。

  1. 安全を確保

    移動中や危険区域で画面を見続けず、周囲の状況と避難情報を優先します。

  2. 切迫時は緊急通報

    火事・救急・救助は119、事件・事故は110、海上の事件・事故は118へ通報します。

  3. 短文を一度残す

    『無事/現在地/けが・不足/次の確認時刻』をSMS等へ送ります。

  4. 省電力へ切り替える

    省電力機能をオンにし、画面を暗くして閉じます。確認時刻を決め、再送を繰り返しません。

『つながらない』を4つに分ける

スマホ通信は、本体だけで完結しません。端末の電池、自宅ルーターや基地局の電源、基地局から先の伝送路、通話・SNSなどのサービスが順につながって初めて使えます。同じエラーに見えても、次に試す手段は違います。

アンテナ表示やWi-Fiマークがあることは、目的の通話・通信が最後まで成功する保証ではありません。安全な場所で一度切り分け、同じ操作を連打せず別の手段へ移ります。

画面の状態から、次に確認する場所を分ける
見えている状態考えられる場所次にすること
電源が入らない電源・端末別の電源とケーブルを試す。発熱・変形・水濡れ・破損があれば使用しない
自宅Wi-Fi名が出ないONU・ルーター・宅内電源必要機器の電源と表示を確認。停電中は無理な復旧作業をしない
Wi-Fi接続済みだがネット不可固定回線・上流網・サービス携帯回線、公式障害情報、ラジオや自治体掲示へ切り替える
圏外・アンテナなし携帯基地局・伝送路・場所契約会社の発表、JAPANローミング™、開設中の災害用Wi-Fiを確認する
アンテナあり・送信失敗回線混雑・相手サービス短文を一度送り、時間を空ける。SMS・171・web171へ移る
図で見る、『つながる』までの4つの条件(そなえヨミ編集部の整理)
1 電源

端末・ルーター・基地局を動かす電気

2 端末

スマホ本体・SIM・OS・設定

3 回線

携帯基地局・固定回線・伝送路

4 サービス

通話・SMS・ネット・伝言板

スマホ充電は、一台・一種類へ集めない

高価な大容量電源を一台置く前に、スマホ本体、対応ケーブル、モバイルバッテリー、乾電池ラジオやライトを役割ごとに分けます。一台の故障・持ち出し・充電切れで、連絡と情報を同時に失わないためです。

モバイルバッテリーの公称mAhをスマホ電池のmAhで割った値は、満充電回数になりません。電圧、変換、ケーブル、端末制御、劣化、温度で損失が出ます。メーカー試験条件を確認し、自宅で『20%から80%まで何回できたか』を同じケーブルで試して記録します。

充電手段を役割で分ける
手段役割平時に試すこと注意
スマホ本体連絡・公的情報・地図満充電、電池状態、省電力設定家族全員の端末を同時に使い続けない
モバイルバッテリー持ち出し・短期停電端子、ケーブル、実際の充電回数高温・衝撃・水濡れ・膨張・リコールを確認
車・ポータブル電源家族分を繰り返し充電出力、同時接続、ケーブル閉鎖空間でエンジンを動かさず、製品説明を守る
電池式ラジオ・ライト情報と明かりをスマホから分離電池交換と操作予備電池の向き、期限、液漏れを点検
大容量電源を選ぶ前に家族分のスマホ・照明を何回使えるか計算するWhとWを分け、実在する代表モデルを同じ条件で比較します。

電池残量を『次の連絡時刻』まで残す

省電力機能をオンにし、画面輝度と自動消灯時間を下げ、動画・ゲーム・長時間のナビ・不要なテザリングやクラウド同期を止めます。端末ごとに設定名と動作が違うため、平時に実機で確認します。

圏外で回線を探し続ける時間を減らすため、通信確認の時刻を決める方法があります。ただし機内モード中は通常の着信・通信や緊急速報を受けられません。一律に常時オンとはせず、ラジオ等の別の警報手段と確認時刻を確保できる場合だけ使います。

リチウムイオン電池は高温・強い衝撃・水濡れを避けます。2026年8月のNITE注意喚起でも、リコール確認、高温での使用・保管回避、異常時の使用中止が示されています。膨張、異臭、異音、異常な発熱、破損があれば充電しません。

自宅Wi-Fi、携帯電波、インターネットは別物

自宅のWi-Fiは、スマホとルーターの間の無線です。停電時はONU・ホームゲートウェイ・ルーターなど必要な機器すべてへ電源が必要で、宅内機器が動いても建物外の固定回線や事業者設備が止まっていればインターネットは使えません。

携帯電話も、基地局の非常電源だけで無期限に動くわけではありません。停電、伝送路の故障、利用集中により、圏外または利用しづらい状態になる場合があります。復旧見込みを自己判断せず、契約会社と自治体の最新発表を確認します。

発災後の公式入口携帯各社の障害情報・171・00000JAPANを開く現在の開設・復旧状況は固定表示せず、公式サイトで確認します。

2026年開始のJAPANローミング™は、方式を確認する

JAPANローミング™は、契約中の携帯会社が災害・大規模障害で使えない場合に、他社の4G LTE網を一時利用する仕組みです。2026年4月1日に開始されました。災害が起きれば自動的に必ず開設されるサービスではなく、携帯各社が被害・設備状況を協議し、地域と方式を決めます。

対応端末、OS、設定、提供地域・時間は変わります。平時に契約会社の対応機種を確認し、発災時は提供開始と方式を公式発表で確認します。通信できる保証ではないため、公衆電話、災害用Wi-Fi、伝言サービス等も残します。JAPANローミング™は一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)の商標です。

JAPANローミング™の2方式(2026年8月21日確認)
方式緊急通報一般通話・SMSデータ通信重要な制限
フルローミング119(火事・救急・救助)/110(事件・事故)/118(海上)利用可能利用可能・送受信最大300kbps端末・混雑・MVNO契約等で使えない機能がある。0120・0800・0570や一部短縮番号は不可
緊急通報のみ119/110/118の発信のみ利用不可利用不可通報先からの折り返し不可。対応端末と手動選択の確認が必要
対応端末・最新の利用方法電気通信事業者協会(TCA)JAPANローミング™ 公式案内

2方式の機能、携帯各社の対応端末ページ、最新の注意事項を確認できます。

つながらない時は、同じ手段を連打せず次へ

一般通話が混み合う時は、短いSMS等を一度送り、171・web171・携帯各社の災害用伝言板、被災地外の中継連絡先へ移ります。家族で『どの番号をキーにするか』『何時に確認するか』を決めておくと、全員が同時に電話をかけ続けずに済みます。

171は音声を残す電話サービス、web171はインターネットで文字を残すサービスです。通信が全て途絶えても必ず使えるわけではありません。携帯が使えない場合は、開設中の特設公衆電話や通常の公衆電話など、利用できる電話から171へ接続する方法があります。

連絡手段を一つずつ使い分ける
目的先に試す次の候補前提・注意
家族へ無事を残す短いSMS・メッセージ171・web171・各社伝言板送信完了を確認し、同じ長文を連打しない
被災地外へ伝える決めた中継連絡先公衆電話・特設公衆電話紙にも番号を残し、公衆電話からの着信設定を確認
公的情報を得る自治体・気象庁・契約会社ラジオ・テレビ・避難所掲示SNSの切り抜きだけで避難判断しない
命の危険を通報119=火事・救急・救助/110=事件・事故/118=海上の事件・事故周囲の人・施設職員・別の電話安否問い合わせには緊急通報を使わない
発災後の実用手順171・web171の操作と短い安否文を見る録音・再生の番号と、緊急通報との使い分けを確認します。

00000JAPANは、開設場所で最小限に使う

00000JAPAN(ファイブゼロ・ジャパン)は、大規模災害や大規模通信障害時に、参加事業者・自治体等のWi-Fiスポットが無料開放された場合に使える共通SSIDです。契約会社を問わず利用できますが、どこでも常時使える回線ではありません。

緊急時の接続しやすさを優先し、通信は暗号化されていません。安否連絡や公的情報確認など必要最小限にし、ネット銀行、買い物、カード番号、重要な個人情報の入力を避けます。通常回線が戻ったら自動接続を切り、保存した接続設定を削除します。

開設条件・安全上の注意KDDI公衆無線LAN『00000JAPAN』

接続方法、利用場所の制限、暗号化されないこと、接続解除方法を確認できます。

衛星通信は『対応端末なら屋外で試せる』予備手段

2026年8月21日時点では、日本でも一部の対応スマホ・OS・契約で、衛星経由の緊急SOS、文字メッセージ、対応アプリ通信を利用できます。地上回線とWi-Fiが使えない時に、屋外で空が広く見える場所が必要です。建物内、地下、トンネル、車内、樹木や建物が密集した場所では接続しにくくなります。

通常の携帯電話と同じ音声通話・動画通信を前提にしません。対応端末・OS・契約・料金・機能は変わります。平時に端末メーカーと契約会社の公式案内を確認し、危険な屋外へ通信のためだけに出ないでください。

スマホの衛星通信を2つの方式に分ける(2026年8月21日確認)
方式主な例できること確認先
端末・OSの衛星機能対応iPhoneの衛星経由の緊急SOS・メッセージ等緊急通報や文字連絡など。機種・OS・地域・通信会社で異なる端末メーカーの対応条件とデモ・使い方
携帯会社の衛星直接通信各社のStarlink Direct等SMS・RCS・iMessage・対応アプリ等。通常音声・緊急通報の可否は会社と機能で異なる契約会社の対応機種・契約・提供エリア・最新機能

ネットがなくても見られる情報と、紙を残す

地図、自治体ハザードマップ、家族の連絡先、集合場所、常用薬・医療連絡先を端末内へ保存します。クラウド上のリンクだけでなく、PDF・画像・連絡先としてオフラインで開けるかを機内モードで試します。紙の控えも防水袋へ入れます。

保存した地図やスクリーンショットは、発災後の通行止め、浸水、火災、土砂災害を自動反映しません。オフライン地図を安全な避難経路の保証にせず、現地の危険と自治体の最新情報を合わせます。

オフラインと紙へ二重化する情報
残す物端末内更新する時
家族連絡電話番号、安否文、171のキー番号家族カード番号・勤務先・学校が変わった時
地図・避難地図、ハザードマップ画像集合場所と第2候補自治体指定が変わった時
医療薬名、量、医療者・機器事業者必要最小限の控え処方・機器が変わった時
通信手順ローミング・衛星の公式案内171と確認時刻OS・端末・制度変更時

平時30分で、実機を使って確認する

購入しただけ、ブックマークしただけでは、停電・圏外時に迷います。家族がいる日に端末とケーブルを実際につなぎ、安否文、節電、オフライン情報、伝言サービスまで一度通します。結果は機種ごとに紙へ残します。

  1. 10分:充電と節電

    ケーブルと電源をつなぎ、省電力機能・画面設定・電池状態を確認します。

  2. 10分:連絡を残す

    安否文を送り、体験利用日に171・web171を試します。キー番号をそろえます。

  3. 10分:ネットなしで開く

    機内モードで地図・連絡先・薬情報を開き、紙の控えと契約会社の手順を更新します。

よくある質問

停電してもスマホやネットは使えますか?

スマホに電池があり、基地局・伝送路・サービスが動いていれば使える場合があります。自宅Wi-FiはONUやルーターにも電源が必要で、宅内へ給電しても上流回線が止まっていればネットは使えません。

アンテナが立っているのに送れないのはなぜですか?

回線混雑、相手サービスの障害、データ経路の故障などが考えられます。短文を一度送り、時間を空け、SMS・171・web171など別の手段へ移ってください。

JAPANローミング™は災害時に自動で必ず使えますか?

必ずではありません。携帯各社が提供地域と方式を決め、対応端末・OS・設定も必要です。契約会社の提供開始、方式、対応機種を確認してください。

00000JAPANはいつでも、どこでも使えますか?

使えません。無料開放されたWi-Fiスポットの周辺だけで使えます。通信は暗号化されないため、個人情報や決済情報の入力を避けてください。

10,000mAhなら何回充電できますか?

公称mAhの単純な割り算では決まりません。電圧、変換損失、ケーブル、端末制御、温度、劣化で変わります。メーカー条件を確認し、手元の端末で同じ充電範囲を実測してください。

主な根拠

数値には公的な目安と、そなえヨミの簡易試算が含まれます。自治体、医療者、製品メーカーなどの個別案内がある場合は、そちらを優先してください。